淡路島で農地付きの古民家を買う|畑や田んぼが付いてくる物件と、農地法の壁

淡路島で畑や田んぼの付いた古民家を買うには、農業委員会の許可(農地法3条)が要ります。2023年に面積の下限が撤廃されて何が変わったか、「無償で畑が付いてくる」の実態、いま扱っている農地付き物件までまとめました。
「淡路島で、畑の付いた古民家を買いたい」——このご相談、淡路営業所でいちばん多いです。移住して自分の食べるものを作りたい、週末だけ畑に通いたい、農家民宿をやりたい。理由はさまざまですが、ゴールはだいたい同じところに向かいます♪
結論から書きます。淡路島に農地付きの古民家はあります。ただし、畑や田んぼは家の「おまけ」としては買えません。ここを知らないまま話が進むと、契約の直前で止まります。この記事では、その仕組みと、いま当社で扱っている農地付きの物件をまとめました m(_ _)m

先に結論だけ
- 登記の地目が「田」「畑」の土地は、農業委員会の許可(農地法3条)がないと買えません。宅地の売買とは別の手続きです
- 2023年4月に「◯アール以上でないと買えない」という面積の下限が撤廃されました。小さな畑でも取得の道が開けています
- ただし「本当に耕すのか」は今も見られます。家庭菜園がしたいだけなら、地目が宅地の庭付き物件のほうが早いことも多いです
「畑付き」には2種類あります
物件情報に「畑付き」「農地付き」と書いてあっても、中身は2つに分かれます。ここが最初の分かれ道です。
① 地目が「宅地」の中の家庭菜園
敷地の一部を畑として使っているだけで、登記上は宅地。普通の不動産売買として、そのまま買えます。許可も要りません。「畑が付いてくる」と聞いて多くの方が想像するのはこちらですが、実際の物件でこのパターンは意外と少ないです。
② 登記の地目が「田」「畑」の農地
母屋の建つ宅地とは別の筆(べつのふで=別の土地)として、農地がくっついてくるパターン。淡路島の古民家では、こちらが大多数です。

この場合、家(宅地)は普通に売買できても、畑や田んぼの部分だけは農地法の手続きが要ります。売買契約は「農業委員会の許可が下りたら効力が生じる」という条件付きになるのが普通です。
農地を買うには、農業委員会の許可が要ります
農地を農地のまま買う場合、農地法3条の許可が必要です。窓口は物件のある市の農業委員会(淡路島なら洲本市・淡路市・南あわじ市のいずれか)。申請して、月1回程度の総会で審議されます。
2023年に、面積の下限がなくなりました
以前は「原則50アール(北海道は2ヘクタール)以上、または市町村が定めた面積以上でなければ農地を取得できない」という下限面積要件がありました。これが2023年4月1日に廃止されています。
つまり、「小さすぎるから買えない」という理由は無くなりました。数十坪の畑でも、許可が下りれば取得できます。淡路島で農地付き物件を探すうえでは、かなり大きな変化です♪
それでも残っている要件
面積の縛りは消えましたが、許可そのものが要らなくなったわけではありません。主に見られるのは次の点です。
- 取得する農地をすべて効率的に利用すること(買ったまま放置するのはダメ)
- 農作業に常時従事すること(個人の場合。年間の従事日数の目安は市によって運用が異なります)
- 周辺の農地利用に支障を出さないこと(水路や農道の使い方、農薬の飛散など、地域との調和)
要は「その畑を、あなたがちゃんと耕しますか」を確認されます。機械や道具のあて、通える距離かどうか、栽培の計画。ここを詰めずに申請すると止まります。
※ 手続きの運用は市ごと・時期ごとに変わります。最終的な可否は必ず各市の農業委員会にご確認ください。当社でも窓口への同行・事前相談のお手伝いをしています。
「畑をつぶして家を建てたい」はまた別の話
農地を宅地などに変えるのは転用(農地法4条・5条)で、3条とは別の許可です。さらに農業振興地域の農用地区域(通称・青地)に入っている農地は、原則として転用できません。「安い農地を買って家を建てよう」が成り立たない場所は、淡路島にもたくさんあります。買う前の確認が要ります。
「畑が無償でついてくる」というのは何なのか
当社の過去の記事でも使ってきた表現なので、正直に説明します。
売主さんが高齢になって農地を管理しきれず、「家を買ってくれる人に、畑も一緒に引き取ってほしい」というケースです。価格は宅地と建物に付いていて、農地の分は上乗せされていない。だから「無償で付いてくる」と言われます。
ありがたい話ではあるのですが、付いてくるのは土地であって、許可ではありません。3条許可が下りなければ農地は移せませんし、引き受けたあとは草刈りと管理が毎年ついてきます。ここは正直にお伝えしておきます m(_ _)m
実例:洲本市五色町の430坪(2023年・ご成約済み)
2023年に当社で扱った物件です。すでにご成約済みですが、「農地付きの古民家」がどういうものか、いちばん分かりやすい例なので残しておきます。


洲本市五色町米山。総面積およそ430坪に、鉄骨造の戸建て・古民家・畑がまとまって付いていました。価格は799万円。人里から少し離れた高台で、瀬戸内海が見渡せます。


この物件も、母屋の宅地と畑は別の筆でした。ご購入された方は農業委員会に申請を出し、許可が下りてから引き渡しという流れです。宅地の契約から引き渡しまで、通常より1〜2か月ほど余分にかかります。農地付きを検討されるときは、この時間も見ておいてください。
いま扱っている、農地・畑付きの物件
2026年8月時点で、淡路島で当社が扱っている農地まわりの物件です。
淡路ICから車で2分、岩屋の中古戸建て。屋上から海と明石海峡大橋、観覧車まで見えます。畑が付いていて、島の玄関口という立地。通いやすさで選ぶならここです。
1930年築、淡路市釜口の平屋。本宅・倉庫・蔵の3棟が建ち、入り口には大きな桜の木。「農地付きの古民家」というご相談にいちばん近いのがこの物件です。
淡路市久野々。9筆・600坪超の農業用地です。農業振興地域に指定されている場所なので、本気で作物を作りたい方向け。建物はありません。
南あわじ市八木大久保、およそ250坪の田。西淡三原ICからも洲本ICからも車で15分。淡路島でいちばん農業が盛んなエリアです。
よくいただくご質問
農家でなくても、農地は買えますか?
買えます。専業農家である必要はありません。ただし「取得後に自分で耕作すること」が前提です。会社員をしながら週末に通う形でも、栽培の計画と通える距離が説明できれば許可が下りている例はあります。市の農業委員会に事前相談されるのが確実です。
農地付きの古民家に、住宅ローンは使えますか?
宅地と建物の部分は通常どおり検討できますが、農地の部分は担保評価がほとんど付きません。また農地の所有権移転が許可待ちになるため、金融機関によっては実行のタイミングを調整する必要があります。古民家は築年数の面でも融資が付きにくく、現金または一部自己資金でのご購入が現実的なことが多いです。
買った農地を、駐車場や家庭菜園以外に使えますか?
農地のままで使えるのは農業です。駐車場・資材置場・住宅にするには転用の許可(4条・5条)が別に必要で、青地の場合は原則できません。購入前に地目と農業振興地域の区分を必ず確認してください。
家庭菜園がしたいだけなのですが
それなら地目が宅地で、庭の広い物件を探すほうが早いです。許可も待ち時間も要りません。淡路島には庭が20〜30坪ある戸建てがふつうにありますので、そちらもあわせてお探しします♪
淡路島のどのあたりに農地付きが出ますか?
南あわじ市(三原平野)がいちばん農地が多く、次いで洲本市の五色・中川原あたり。淡路市は北部の岩屋・久野々方面に出ます。海が見える農地付きをご希望なら、洲本市の五色側か淡路市の西海岸が候補になります。
探すところからご相談ください
農地付きの物件は、条件が合うものが常に出ているわけではありません。サイトに出していないものも含めてお探ししますので、「このくらいの畑が欲しい」「予算はこのくらい」だけでもお聞かせください。
農業委員会への事前相談も、地元でずっとやってきた分、勝手が分かります。買えるのか買えないのかを、先にはっきりさせるところからお手伝いします m(_ _)m
※ この記事は2023年9月に公開したものを、2026年8月に全面的に書き直しました。農地法の手続きは2023年4月の制度改正を反映しています。
気になる!と思われたら是非♪淡路島の未公開物件もあわせてご案内できます。